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暁闇
第21章 重なる
翔悟くんと視線を合わせる。
切なそうに細められた、その目。
私の髪に優しく触れている、その手。
絡めるようにされているもう片方の指先が、私の指のあいだを撫でさする。
「……やっと俺の方見た」
低く、掠れたその声。
きゅうっと、胸が苦しくなって。
ごめんなさい……そう思わず呟いた。
ふ、と笑った翔悟くんに、また胸がきゅうっとなる。
どうして。
どうして、こんなに――――。
「……翔悟くん……すき……」
自分の中に問いかけて。
自然に口から出た答え。
こんなにも、彼が好き――――。
「ん」
彼の首に、腕を回した。
自由な片手をそうすると、察した彼は繋いでいた手の方も解放してくれたから。
両手で、そうして。
きゅっ……と、彼を自分に抱き寄せるようにする。
「……最後まで、して」
ぴくり、と動いた彼の身体。
愛おしくて、もっと強く抱き寄せる。
「っ……!」
――瞬間、激しく唇が重ねられた。