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暁闇
第22章 躊躇いの理由
「えー? 恋人と一緒に住めるとかよくない!?」
丈が少し不満そうに言うと、結ちゃんも頷いて俺を見た。
「そりゃそうだけどさ」
「翔悟くん……」
あおいさんが俺を見て。
「そういうのは何て言うか……その場の雰囲気で決めるとかじゃなくて。
先のことも考えながら、ちゃんとふたりで話し合って、そうやって決めたい」
ね、と笑いかけると。
彼女も、ん……と答えてくれて。
そのはにかんだような表情が、可愛かったから、つい言ってしまった。
「あおいさんを好きな気持ちは、一緒に住んでも住まなくても変わんねーから」
丈と結ちゃんの前なのに。
「きゃー! 翔悟さんそれ惚気ですかー!?」
そして結ちゃんの、その言葉。
あおいさんが恥ずかしそうに俯いた。
「そう聞こえた?」
「聞こえましたー!」
「じゃあそうかな」
やだー! と笑いながら丈の腕を掴む。
丈もにやにやしながら、俺とあおいさんを交互に見ていて。
「……ま、それについてはゆっくり話そ?」
あおいさんに向かって言うと
「あ……うん、そう……だね。
まだ先の話……だしね……」
動揺が治まらないのか、たどたどしく答える。
その慌て方に、俺は思わず笑ってしまった。