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暁闇
第27章 *おまけ*葉月と琴音*
もっと。
もっと、いっぱい――――。
そんな気持ちを覚え始めたとき。
彼の唇が離れてしまって。
寂しくなって。
「もっとして……」
そうお願いして、今度は自分から唇を押し当てる。
彼はそれを、ちゅっ、と受け止めてから、少し顔を引いて離した。
「え……」
戸惑いながら彼を見ると、ん? って顔をしてて。
「……ね」
その顔を見上げたまま、もう一度。
少し背伸びをして。
それもまた、触れた瞬間に上に逃げられる。
……っ。
葉月くん、なんで意地悪するの――――。
「……じゃあもういい……」
背中に回してた両腕を、彼と私の身体のあいだに入れ。
そのまま葉月くんの胸元を押す。
でも身体が離れた瞬間、彼が私の腕を取り。
くるりと反転させ、背後からぎゅうっと抱き締めてきた。
「やっ」
逃れようとした私の耳元で
「あ、拗ねてる」
彼はそう言うと、そのまま耳にキスをして。
「怒ったの?」
キスの合間に、そう囁かれ。
またきゅっ……と抱き締められる。