この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
暁闇
第27章 *おまけ*葉月と琴音*
腰を抱くようにされ、導かれた寝室。
「……髪、ほどいて」
そう言われ。
そっと離された手。
こくん、と頷いて。
私はドレッサーの前に座った。
私の背後で、椅子の背もたれを掴んで少し前屈みになっている葉月くんも、鏡に映って。
長めの前髪の隙間から覗く目が、色を帯びていて。
どきどきと鳴る心臓。
疼く身体が、少し手を震わせた。
「あ……ん」
結い上げていた髪。
ピンを外そうとして髪を引っ張ってしまった。
鏡の中の葉月くんが、ふ……と笑う。
「……っ……」
顔が熱い。
俯いて、息を吐きながら手の感覚だけを頼りに他のピンを外す。
ほどけた髪が、ぱさりと肩に落ちた。
「くるんとしてる」
緩いカールがついてしまった髪を、葉月くんは指先で少し遊ぶようにする。
そして、一房手に取り。
それに口づけるように唇を寄せ、鏡の中の私と視線を合わせた。
どくん……と、また心臓が。
「……なんだか今日、いつもの琴音と雰囲気が違うから不思議な感じ」
静かにそう言われ。
私は鏡の中の彼から目を逸らし、髪を片側に寄せながら答えた。
「そう……かな。
……少し、お化粧頑張ったから、かも?」
そして首の後ろに両手を回し、ネックレスの留め金を外そうとしたら葉月くんの手に制されて。