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暁闇
第27章  *おまけ*葉月と琴音*


腰を抱くようにされ、導かれた寝室。


「……髪、ほどいて」


そう言われ。
そっと離された手。

こくん、と頷いて。
私はドレッサーの前に座った。

私の背後で、椅子の背もたれを掴んで少し前屈みになっている葉月くんも、鏡に映って。
長めの前髪の隙間から覗く目が、色を帯びていて。

どきどきと鳴る心臓。
疼く身体が、少し手を震わせた。


「あ……ん」


結い上げていた髪。
ピンを外そうとして髪を引っ張ってしまった。

鏡の中の葉月くんが、ふ……と笑う。


「……っ……」


顔が熱い。
俯いて、息を吐きながら手の感覚だけを頼りに他のピンを外す。

ほどけた髪が、ぱさりと肩に落ちた。


「くるんとしてる」


緩いカールがついてしまった髪を、葉月くんは指先で少し遊ぶようにする。
そして、一房手に取り。
それに口づけるように唇を寄せ、鏡の中の私と視線を合わせた。
どくん……と、また心臓が。


「……なんだか今日、いつもの琴音と雰囲気が違うから不思議な感じ」


静かにそう言われ。
私は鏡の中の彼から目を逸らし、髪を片側に寄せながら答えた。


「そう……かな。
……少し、お化粧頑張ったから、かも?」


そして首の後ろに両手を回し、ネックレスの留め金を外そうとしたら葉月くんの手に制されて。


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