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BAR・エロス
第5章 探そう・・
あった!
やっと見つかった!

手の中でクシャクシャになっている地図を食い入るように見る。
この細い路地は地図には表示されていない。

これじゃわかんないよ・・
でもショコラやベネチア仮面の店は昼間開いているんだし・・
人は来るんだろうな・・

そう思って開いている店に目をやると、
買い物を終えた客がチョコレート屋から出てきた。

見送ると今度は、
自分と同じ道をたどってきたカップルが
ベネチアの店に入っていく。

いわゆる知る人ぞ知る、ということか。

ただ、バーは気がつかないだろう。
看板やネオンは無いし、ドアのプレートも
CLOSEの面には名前がない。
私のようにひっくり返してみなければわからないのだ。
それだけ、
深い意味を持つバーなのだ、ということ・・
誰にでも簡単に
快楽は手に入れられない、ということなんだろう。


よし、次は夜来てみよう。
きっと様子がわかるはずだ。
ケータイで建物を写真に収め、
来た道を戻りながら目印になる建物を確認し、
さっきとはまるで違う軽い足取りで
その場を後にした。

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