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銀剣士の憂鬱
第4章 青白い満月の輝く夜

「んっ~!そろそろ行くかな。」
昨晩は雲一つなかっただけあって、今日はいい天気だった。
サラは朝の柔軟を済ませ、パンに干し肉を食べて、今日の目的地を確認すると兜を被り、しっかりと顔を隠すと寝床の木を降り立った。
サラの旅は基本歩きだった。
良い素材を使い、サラの体に合わせて特注で作ってもらった鎧は案外軽く、昨日のように木の枝を使って移動することも難なくできた。
剣の腕もさることながら、サラの最大の武器はその身軽さだった。
サラが歩き出して間もなく、何かの気配を感じ、一瞬身構えた。
スタッ!
木の枝から目の前に降り立った人影は昨日の女だった。
「おはようございます。
昨晩はありがとうございました。」
昨日の女のことなど気にも止めていなかったサラは正直、突然現れた女にびびっていた。
人気のない森に魔物が突然現れることはよくあるが、美少女が現れることなど滅多にない。
いや、まずない。
(危うく斬るところだった...
びっくりした...
っていうか案外この女、魔物なんじゃないかっ!!)
そんなことを思いながら、まだ構えを解けずにいるサラに少女は構わず話し出した。
「本当にありがとうございました。
あっという間にいなくなられたので、お礼も言えず、あなた様が休まれていた木から少し離れた木の枝からご様子を窺っておりました。」
(えっ!一晩中!?)
サラは一瞬動揺する。
どうしようかと困惑するサラの様子を覗きつつ、彼女は続けた。
「それで...あの...よろしければ、あなた様にご同行させていただきたいのですが、よろしいでしょうか?」
遠慮しつつも彼女は聞いてきた。

