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仮面舞踏祭~カーニバルの夜に~
第2章 本当の別離
以前なら、たったこれだけの愛撫ともいえない愛撫で友里奈の身体は、彼に触れられる歓びと次にやってくるであろう官能の訪れへの期待がさざ波のように一挙に押し寄せていた。
友里奈だけではない、この男は自分が女たちに及ぼすことのできる影響を嫌になるくらい知っている。だからこそ、それを利用して多くの女たちの間を巧みに泳ぎ回ってきたのだ。一度剝がれ落ちてしまえば、金メッキを塗っただけの偶像は、ただのつまらない軽薄な男でしかなかった。