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仮面舞踏祭~カーニバルの夜に~
第2章 本当の別離
友里奈は呆然と眺めていた。ただ眼前で世にも無神経で愚かな人でなしの男が人の気も知らずにぺらぺらとまくしたてているのを。
それにしても、よく喋る男だ。仮にも、ほんのわずかな間にせよ妻であった女と不幸にしてこの世の光を見ることになかった逝った我が子について語っているというのに、どうだろう、この悪びれない、あっけらかんとした口ぶりは。
むしろ、厄介払いできて清々しているとでも言いたげに見えるのは、友里奈の勘ぐり過ぎというものだろうか。
それにしても、よく喋る男だ。仮にも、ほんのわずかな間にせよ妻であった女と不幸にしてこの世の光を見ることになかった逝った我が子について語っているというのに、どうだろう、この悪びれない、あっけらかんとした口ぶりは。
むしろ、厄介払いできて清々しているとでも言いたげに見えるのは、友里奈の勘ぐり過ぎというものだろうか。