この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
嘘でもいいから
第10章 あの小さな手〜想side〜
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
今日、俺の母さんが死んだ。
川に流された子供を助けようと
カナヅチだった母さんは
川に飛び込み…死んだ。
子供は他の通行人によって助けられ…
母さんだけが死んだ。
母さんの友人は
何でそんな無謀なことを…と
口々に言ったが、俺には
母さんの気持ちがわかる気がした。
その子供は4歳の女の子。
母さんが泣く泣く手離した時の優花と
ちょうど同じくらいの子供だったんだ。
母さんに、俺の他に子供がいたと
知っている人間は周りにいない。
母さんも何も言わない。
でも、俺だけは知っていた。
優花の誕生日には、毎年なんだかんだ
理由をつけてケーキを買ってくること。
そしてその夜は、必ず夜中に独り
泣いていたことを…
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
今日、俺の母さんが死んだ。
川に流された子供を助けようと
カナヅチだった母さんは
川に飛び込み…死んだ。
子供は他の通行人によって助けられ…
母さんだけが死んだ。
母さんの友人は
何でそんな無謀なことを…と
口々に言ったが、俺には
母さんの気持ちがわかる気がした。
その子供は4歳の女の子。
母さんが泣く泣く手離した時の優花と
ちょうど同じくらいの子供だったんだ。
母さんに、俺の他に子供がいたと
知っている人間は周りにいない。
母さんも何も言わない。
でも、俺だけは知っていた。
優花の誕生日には、毎年なんだかんだ
理由をつけてケーキを買ってくること。
そしてその夜は、必ず夜中に独り
泣いていたことを…
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇