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嘘でもいいから
第3章 偶然の出逢い
その数枚の写真は
どれも私が一人で写っていて…

バックにはそれぞれお城や
白馬のメリーゴーランドなどの
印象的な建物などが
ぼんやりとぼかしで入れてあって
よく見るとプロが撮ったような
素敵な写真ばかりだった。

そしてその写真のことを
お父さんに問いただしたら…
ぽつぽつと語り始めたのだった。

私が4歳になる頃に
親子3人で遊びに行ったこと。

この数枚の写真は
カメラマンだった
お母さんが撮ったこと。

そして数日後、
この写真を残して
お母さんは消えたこと…


最近の私は
いい意味でも悪い意味でも
お母さんのことを考える時間は
減っていた。

十代の頃は…どんな理由であれ
結局は私を捨てたお母さんを
恨んで…でもすごく恋しくて…
泣きながら眠る日もあった。
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