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嘘でもいいから
第5章 初めてを貴方に
週が明け…
今週からお茶当番の私は
いつもより早い時間に会社に着いた。

と言ってもお茶汲みをする必要は無く
セルフサービスになっている
ドリンクバーのような給湯室を
軽く掃除をするだけの作業があるだけだった。


向井さん…
今までどんな顔して話してたんだっけ…
気まずいなぁ…どうしよう。

エレベーターホールを抜け
まだ人影もまばらなオフィスに着くと…
そこには既に向井さんの姿があった。


…改めて彼を見る。

身長は180cmは軽くありそうで…
黒のストライプのスーツに
ボタンダウンのシャツ…
そして品のいい赤のネクタイ。
いつもの向井さんのスタイルだ。

そして小さい頭に整った顔立ち。
すごくカッコいいけど派手過ぎない、
誠実そうなその雰囲気は
営業マンにはぴったりだった。
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