この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
悪戯な思春期
第2章 重ねた王子様は微笑んで

 美伊奈が考えるように黙ったあと、重要な質問をしてきた。
「好きなの?」
 言葉に詰まる。
「一番はそこだよ。椎名が西雅樹をすきなのかどうか」
(瑠衣なら即答なんだけど)
「キッチリしないとさ、本当に子供出来てからじゃ手遅れだよ」
 私はテーブルに頭を打ちつけた。
「こどっ……子供?」
 美伊奈は電話越しの私の慌てぶりを理解した上で、淡々と注意する。
「どうせ椎名のことなんだから、夜の知識とか零でしょ? あたしだってビッチじゃないんだから、そのへんは慎重だし椎名も気をつけてほしいから」
「……美伊奈ああああぁ」
 周りで誰かが聞いているんじゃないかと心配になってくる話の流れだ。
 だが、こちらの不安など知ったことじゃないかのように美伊奈は言う。
「そこまでは無いと思うけど、いきなりキスしてくるような奴は絶対危険! 黄色信号越して赤信号! わかる? 女の子にとって一番大切なものの危機なんだよ」
「別に明日泊まりに行くとか言うわけでもないし」
 私は耳を真っ赤にさせながらも、話についていこうと声を絞り出した。
「だから、ダメってそんな安楽的な考えじゃあ……んっ」
 前触れもなく美伊奈が高い声を出したので、私は起き上がって耳をすませた。
「ちょ……今電話中」
「美伊奈?」
「んん……椎名……ちょっ……待って。さっきシたばっかじゃん君博ぉ」
 やっと状況を理解した私は、サァッと青ざめた。
 電話の向こうで何が起きているのか、理性を無視して想像が働く。
(まさか……今まで)
 高校生にもなれば、友人の何人かは経験済みだとは知っていた。
 美伊奈も彼氏を何人も経てきたのだから、当然夜を体験したに違いない。
 頭ではわかっていても、小学校からの親友の初めて聞く甘い声に私は混乱に陥っていた。
 サッサと電話を切ればいいものの金縛りにあったように指は動かない。
「聴かせとけば良いじゃん」
「……馬鹿」
 どこかで聞いたことのある低い声。
「……やっ……やだ。やっぱ……切る」
 今まで頼りがいのある相談相手だった美伊奈が、弱々しく訴える。
/100ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ