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【SS】目が覚めたら…?
第27章 【ファン感謝】白雪姫 ②小人(ナツ)

「これね、結婚式で着るしーちゃんのお洋服!!」
純白に薔薇の花の刺繍があしらわれたその見事なウェディングドレスは、最近青ナツと共に刺繍を施していたものだ。
……これ、婿のあたしが着るんだ?
「これね、結婚式で食べるウェディングケーキ!!」
それも最近赤ナツと共に、ひたすら焼いていたスポンジの7段重ね。
……これ、今から作って置いて腐らないんだ?
「これね、結婚式でしーちゃんが持つブーケ!!」
それは緑ナツと共に育てて刈り取った見事な花々。
……今からブーケにして、枯れないの?
「僕はね、初夜用にラブラブベッドを作ったんだ♡ だけどまだ完成してないから、お楽しみにね」
「僕はドレス作り終わったから、ラブラブクッションピロー手作り中♡」
それは青ナツと笑顔で話しているのは橙ナツ。
あたしと共にあの太い木を伐採してのこぎりでぎこぎこしたのは、新婚用の寝台を作るためだったらしい。
「僕は、新婚さんの家らしく隅々までぴかぴかに磨くよ? ふふふ、特にお風呂場は念入りに♡ だってしーちゃんと入るんだもん。お背中をお流ししま~す。特に初夜は念入りとね」
いいのか、白ナツ、それで。えっちを知らずに初夜を知るのか、君は。
「初夜と言えば!! 僕は純白なシーツに散った純潔の花をきれいに真っ白にお洗濯しまーすっ!!」
………。
黄ナツ、君も本当にえっちのことは知らないのかい? というか本当にその小ささで、あたしの純潔が散ると思っているのか。
「ぼ、僕は……」
ハナタレナツがなにかを言おうとした途端、他6人のナツ達が諫めた。
「お前はいいよ、夜伽しか能がないくせに」
「別に訊きたくも見たくもないし……」
「しくしく……」
泣き出したハナタレナツをサクラは手で持ち上げ、その頭を撫でた後、指でぼろぼろと零れる涙を拭き取った。
「お前も、このひとの嫁になりたいのか?」
「……うん。嫁になって……子供欲しい」
「ぶほっ、ゴホゴホゴホ……」
サクラが吹き出した直後にむせ返った。
……すごく苦しそうだ。

