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【SS】目が覚めたら…?
第27章 【ファン感謝】白雪姫 ②小人(ナツ)
細胞までさざめくように、歓喜のあまりに全身が総毛立つ。
ナツに求められることに、あたしの女としての自尊心までもが満たされて。ナツからの愛をもっと身体で感じたくてしかたがなくなる。
頷く前に、あたしは言った。
「その前に、これだけ言わせて」
緊張した面持ちでナツを見つめると、心なしかナツが不安げな色を顔に浮かべた。
あたしはナツを見つめたまま、言った。
「今まで、自分の気持ちに気づけなくてごめんなさい。そしてあたしを好きになってくれてありがとう。凄く……嬉しい。
あたしは……」
迷い無く、自らの気持ちを吐き出した。
今まで胸を焦がし続けていた、輪郭が見えなかった気持ちの正体を。
「あたしは、あなたが好きです。
あたしの……王子様になって下さい」
あたしを迎えに会いに来てくれるはずの王子様。
今まであたしの支えとなっていたその王子が、もう誰でもいい。
否、それがナツであって欲しい――。
それだけに募ったこの心を、伝えたいんだ。
まだまだ伝えきれないこの想い。
身体を結ぶその前に、もっともっとナツに伝われ。
この心を、ナツと繋ぎあわせるために――。