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【SS】目が覚めたら…?
第28章 【ファン感謝】白雪姫 ③王子(モモ)

揶揄するような目でもない。
怯えた目でも、狼狽えた目でもない。
怒気を含んだような睥睨にもよく似た眼差しは、瞳の奥に灼熱の炎を揺らし、ぎらぎらとした荒々しいオスの性を丸出しにしたような直線的なもの。
怖い……以上にぞくぞくする。
今のサクラは、あたしを凌駕する完全な"男"。
ここまであたしの身体を燃えさせる男が、あたしの名前を呼んで自慰をしていたなんて……。
それが、あたしの中の"女"を刺激する。
なんでそんなことをしていたのか聞きたい――。
「……こんな状況になっているのに、他のことを考えられるとは、……随分と余裕だな」
落とされた声音は、さらに硬質のもので冷たく。
不愉快そうな表情をしたサクラの薄い唇が、自嘲気に歪められた。
「そこまで俺は……眼中外か」
ぎりぎりと歯軋りの音がして、その美しい顔が屈辱に憤るものへと変る。
そして――。
闇を映す黒い瞳に……なにかが爆ぜた。
「あんたの……せいだ」
それの言葉が合図だった。
あたしの両手はあたしの頭上に持ち上げられ、サクラに片手で床に縫い止められる。
「え、ちょ……」
「黙れ」
横に添い寝するように身体を伸ばしながらも、あたしの身体の上に覆い被さるようにしてくるサクラは、閉じていたあたしの両足を片足でこじ開けるように割って入ると、ぐいと膝を曲げた。
濡れ仕切っていたあたしの秘部が、サクラの膝に掠められ、その突然の摩擦にびくりとした直後、サクラがあたしを上から覗き込んでいることを知った。
「俺は、男だ。あんたを組み敷くことは容易い」
暗澹たる闇に染まった瞳の色。
威嚇しながらも、あたしに向ける表情には躊躇がある。
いつもの優位さを見せる無表情を繕うことができないほどに、その顔の表情が悲しみと苛立ちに歪んでいたんだ――。
その表情があたしを興奮させる。
あたしのメスの部分が刺激される。

