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衝動[完]
第2章 保険室
「あ、ありがとう。先生。」
「気を付けなさいね。」
「うん……。」
頷いたきりなかなか椅子から立ち上がろうとしない弥生を、祐は覗き込んだ。
「んー?どうしたー?」
「あ……あの、あのね……。」
耳まで真っ赤になっている。
「何?」
「せ…先生の名前って何?」
意を決したようにがばっと顔を上げる。
「名前?」
祐が目を丸くして問い返すと、無言でぶんぶんと頷いた。
「高木祐。」
そう答えると、噛み締めるように復唱する。
「高木……祐先生……。」