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衝動[完]
第8章 番外編Ⅱ
「……でもさ、好きだから仕方ないの……。」
今では祐を好きだと少しも照れずに言い切る弥生に、苛立ちさえ覚える。
巧は弥生の額を人差し指で突付いた。
「好き好きって言い過ぎ。お前は。」
「だって好きなんだもん。」
額に手を当て、きょとんとした瞳で自分を見つめる弥生を見て、巧は溜息を吐くとげんなりした様子で弥生に言う。
「お前、祐先生にもそう言ってるんだろ?そんなに好き好き言ってると、好きが無くなっちまうぞ?」
「へ?」
弥生が大きな瞳を見開いた。
「『好き』なんて言葉はむやみに使っていいモンじゃないからな。」
「無くなっちゃうの?」
縋るような瞳で自分を見つめる弥生を見て、巧にイタズラ心が芽生えた。 真剣な表情で、弥生に説明する。