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キズアト
第2章 再会
「あ、これ?うん、結婚したの…武君も知っている人よ」
視線に気づいた彼女が、結婚指輪に目を落とす。
「俺の知り合い?誰?」
「山本を覚えてる?山本経夫」
「工業高校の同級生だった山本?なんで、どうしてあいつと」
俺達は近所に住んでいて、中学までは同じ学校に通っていた。
だけど静はお嬢様学校に進学してしまい、俺だって月に何回かしか会う機会はなかった。
ましてや山本となんて、俺を通して知りあったとはいえ少なくとも直接二人だけで話をするような仲ではないはずだ。