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甘いだけの嘘ならいらない
第7章 その温度さえあればきみを忘れることだってできたのに、
「翔っ……翔…っ」
「ん?」
「ちょう、だい……翔、…」
思っていたよりも熱っぽく零れた声で、翔を首筋にねだるように腕を絡みつけた。
きっと恥ずかしいくらいに涙ぐんだ瞳で、淫らな顔をしているんだと思う。
あたしの方から翔の唇を奪うと、それ以上の激しさで奪い返された唇。
純粋に彼が好きだと思った。
上司だとか年下だとか、彼氏がいるとか既婚者だとか、そんなの忘れてしまいそうなくらい、彼が欲しいって。