この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
甘いだけの嘘ならいらない
第7章 その温度さえあればきみを忘れることだってできたのに、
英士くんに抱かれるときの、優しくて甘いセックスが好きだった。
あたしを、あたしだけをみつめてくれて、抱きしめてキスしてくれて、他の女の子なんか見てなくて、あたしだけ、で。
欲しいと思う言葉を全部くれて、さみしくて逢いたいときにはいつでも会えて、離れる必要なんてなくて。
だけど、翔は違う。
あたしと翔は、知られてはいけないんだって、理解してる。
あたしが英士くんの彼女であって、婚約者でもあることは、変えられない事実。
あたしの帰るべき場所は、英士くんのとなり。
あたしが英士くんの恋人である以上、翔との関係は、一時の逃避にしかなりえない。
赦されないことなんて、初めから、解ってた。