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貴方に出逢えて。
第10章 ✿悲しみの果てに✿
聖也は駅まで歩きながら今日あったことを話していると、俯きながら歩いていた凛が小さく笑った。
「木下教授の話、いつも面白いね」
そう言って笑う凛の笑い顔は無理して悲しさを押し殺して笑っているのが丸わかりだった。
凛の本当の笑顔を幾度となく見てきた聖也はそんな凛を見ていられなく、そっと視線を逸らした。
「なぁ、神津?
行きたい所があるんだ」
珍しく凛の意見を聞かずに凛の手首を掴み、突然歩き出した聖也に、凛は驚きながらついて行った。