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第19章 ✿仮面を捨てる時✿

「凛はもう十分待ったんだから。

あの人と相応の立場に立って、もう何も待つ必要はないんじゃないか？」

ーーあの人と相応の立場……

聖也の言葉が凛の荒んでいた心に染み渡り、耐えていた涙が溢れた。


ーー最近泣いてばかりだわ……

聖也の言葉が素直に心に入ってくる。

それは聖也が凛の気持ちを知っているからこそなのだ。

森生と過ごした夜から一度も泣いていなかった凛は、心が不思議と満たされていくのを感じた。