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唇に媚薬
第2章 不器用プリンス

……佐伯がニコニコと笑うから、つられて俺まで顔が緩む。
こっちは失笑に近いけど。
「悪いな、気を遣わせて」
「少しはお役にたてましたか?」
「お前は男を喜ばせる術を持ってるな。
俺が素直な性格だったら、この場で小躍りしてるぜ」
「事実ですよ、全て」
佐伯の瞳が、天井のダウンライトによって淡く光る。
何千人と相手にする仕事柄、その眼差しが決して嘘では無いと分かるけど
……女っていうのは、ほんと謎な生き物だ。
「好きって言葉
そんな風に、爽やかに言ってみてぇな」
「……えっ?」
「羨ましいよ、マジで」
“ 葵のこと好きよ。
友人として、ほんと好き ”
途中の邪魔な関係性を付けるくらいなら、逆に口にしないでくれ。
なんとも思ってねぇ奴だからこそ、軽く言えるんだろうけど
何度もその気持ちを飲み込んでる身としては、嫌いと突き放された方がまだ救われる。
こっちは失笑に近いけど。
「悪いな、気を遣わせて」
「少しはお役にたてましたか?」
「お前は男を喜ばせる術を持ってるな。
俺が素直な性格だったら、この場で小躍りしてるぜ」
「事実ですよ、全て」
佐伯の瞳が、天井のダウンライトによって淡く光る。
何千人と相手にする仕事柄、その眼差しが決して嘘では無いと分かるけど
……女っていうのは、ほんと謎な生き物だ。
「好きって言葉
そんな風に、爽やかに言ってみてぇな」
「……えっ?」
「羨ましいよ、マジで」
“ 葵のこと好きよ。
友人として、ほんと好き ”
途中の邪魔な関係性を付けるくらいなら、逆に口にしないでくれ。
なんとも思ってねぇ奴だからこそ、軽く言えるんだろうけど
何度もその気持ちを飲み込んでる身としては、嫌いと突き放された方がまだ救われる。

