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サイドストーリー3
第5章 出会いは必然に
2月の第2土曜日に締め切り間際の仕事を終わらせるために休出した。
お昼前に終わる算段が付いたので
一緒に休出してくれた事務の中野さんに
「中野さん、12時で切り上げよう」
と声をかけた。

「はい。あ、半田さん今日はバレンタインですよ。
チョコがまだだったら買って帰ってくださいね」

なんていう。

「え!嘘。ごめん。中野さん大久保君とデートだったよね」
と、休出を謝れば
「いえ。大久保さんも休出だったので。私が帰れそうになったら
内線を入れることになっています」
「そっか。ごめんね気が付いてあげられなくて」
「いえいえ」

バレンタインなんて全く気が付かなかった。
先に中野さんを帰して、キリがいいところまで仕事を終わらせて
駅までの途中で形ばかりのチョコを買った。

形ばかりだとはいえ、ちょっとうれしくなって
ルンルンで駅まで行くと、駅の手前のコーヒーショップのガラス越しに
大川さんが座っていた。

今日は外で打ち合わせだったんだ!そんな風に思って
お店に入ろうとして
向かい側に座っている美人に気が付いた。

その美人は大川さんの手を握り、
大川さんが冷たくその手を払いのけた。
そんな大川さんの行為に美人は嬉しそうに笑ってチョコらしい包みを渡していた。

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