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サイドストーリー3
第9章 恋心あれば水心
「いや。めでたい記事だ」
「めでたい?」

「今月のカップル。恋愛中だろうが既婚だろうが
二人のラブラブの記事を書けば読むんじゃないか?」
「カップル・・・ですか」
「そうだ」
「・・・・いいですね」

へぇ。こいつ大学時代は真面目一本やりだったのに。
会社で、もまれたか。
ま、そんな冗談も人生には大事だ。

「でも出てくれる人いますかね?」
「俺が出てやる」

これはまさに我ながらいい考えだ。

「写真もある」
「彼女いたんですか?」
「ああ。めちゃめちゃかわいい子だぞ」
「いいですね。運命の人ですか?」
「うん。運命だな」

運命・・・だと思う。
どんなことをしても、手に入れたい。
そんな風に思った女の子は初めてだ。

「今から部に帰ったら画像を柳下に社内メールするよ」
「すみません。彼女の簡単なデーターもくれますか?
言える範囲で結構です」

「ああ。経理部の新田希望だ」
「え!山田さん、社内恋愛だったんですか?
社内報で出しちゃって平気ですか?」

「平気♪みんなに公表したいんだ」

どんなことをしても手に入れる。
どんなチャンスも見逃さない。

希望ちゃん、覚悟しろよ。

俺は心の中でガッツポーズをした。


END*****



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