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誘惑のサンタクロース
第1章 ☆
日付が変わるまでには、帰って眠りたい。
この時期になるとさすがに1時間以上、
外に居るのが辛くなってきた。
でも、帰りたくない。
あんな家には、帰りたくない。
昔だったら友達の家に泊まりに行ったり、
彼氏が出来たときは彼氏の親に見つからないように
こっそりと家にお邪魔して、
彼氏の部屋に泊まらせてもらったりしていた。
今、つきあっている人はいないから
どんなに寒くてもここにいなきゃいけない。
もう家を出て、一人暮らしでもしてしまおうか。
でもそんなことをしたら
もっと家の中が冷たくなってしまう気がして、
わたしはこうして
たまに逃げることしかできないでいた。
もっとあったかい格好してくればよかったなぁ・・・。