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want to be ...
第17章 俺と杏奈の関係 蒼汰SIDE
普通の恋愛したいだけなのにな…
美咲と大樹さんみたいに、あそこまでいろんな試練降りかかるのは嫌だけど、普通にさ?
俺もその子が好きで、その子も俺が好きで。
そんな恋愛、俺は出来ねぇのかな…
そんな事をしんみりと考えつつ、相変わらずぶつかってくる後ろの男に苛立ちが込み上げる。
とりあえず何度もぶつかってくるのが最高にウザい為軽く蹴るだけでもしようかと再び振り返り…目を見開いた。
泣きそうになりながら、必死で辱めに耐えてる、その女の子は…
しかも、よく見ると状況がマジで危うい。
ヤられそうじゃん…
気付いたら、男の腕を捻り上げてた。
そして床に崩れ落ち、俺を見上げたその子の、
…え?
見覚えがあるその角度。
見覚えのある…
とりあえず何やら言い訳を重ねる男の腕を掴み、丁度着いた駅でその子の腕も掴み電車を降りる。
うわっ、腕…ほっそ。
その子の余りの腕の細さに、思わず強く掴んでしまった事を後悔し、少し掴む力を緩めてホームへ向かう。
男を駅員に引き渡しその子と話すと、やっぱりあの子だった。
いつも俺達の向かいに座ってる、髪の短い可愛い子。