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want to be ...
第18章 俺と杏奈の関係解消 蒼汰SIDE
もうお前は俺のセフレじゃない。
俺の、大切な女だ…
「杏奈っ…お願い、開けて…。謝らせてよ、なぁ…」
それでも杏奈は出てきてくれなかった。
食べ物はほとんど喉を通らず、水しか飲まない生活を1週間続けた。
眠ろうとしても杏奈の事が頭から離れず、とりあえず部屋を暗くして目を閉じると、次に目を開けた時には朝になっているが、全く睡眠をとった気になれなかった。
表情が消え、鏡に映る自分の異常な姿に驚く事すらなくなったある日。
上司から、しばらく休みをやるから元に戻るまで出勤するな、と言われてしまい。
大量の酒を飲み、ようやくまともに''寝る''事が出来て、半日以上眠り続けてふと目を醒ました。
光を失った部屋の中。
まるで自分のようだと、嘲笑を洩らした。
酷い吐き気を催し、自分の口からひたすら液体しか出てこなかった事にまた嘲笑して…
再びベッドにもぐり、次に目が醒めた時。
やけに冴えた頭で、思い浮かぶのは杏奈の事。
あーあ、杏奈…
俺はお前を失うと、人間力すら失ってしまうらしい。
大学にまで行ったが、その姿はなかった。
交友関係なんて知らないから経済学部の教室を覗いたが、知らない女共に囲まれて終わってしまった。
「はぁ…」
洩れたため息。
空っぽの体のくせに、涙は出るらしく。
情けないが、止まらない涙を流して、
杏奈に会いたい…
ふと、そう思った時だった。
ピンポーン
鳴り響いたチャイム。
誰だ、こんな時間に…
いや、今何時か知らねぇけど…
「…はいはい」
頭を掻きながらインターホンを素通りし、
鍵を開けて扉を開ける…と。