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want to be ...
第26章 Secret Story 大樹 × 杏奈
記憶喪失って、そんな綺麗さっぱり忘れちゃうものなの?
大樹さんが、美咲さんを忘れてる。
あたしのせいで…あたしのせいで。
それが悲しくて悲しくて、辛くて堪らなくて…
「うっ…、こんな…」
こんな、事って。
「…っ、だめ…っ」
あぁ、涙が溢れてきた…
ぼろぼろ涙を溢すあたしを見て大樹さんは、
「…っ!?」
あたしをベッドに押し倒し、唇を舐めて微笑んだ。
その妖艶な笑顔に心臓が止まりそうになる。
え…な、ど、どうして笑うの…?
「…っはは。いつも言ってるよな、俺。
お前の泣き顔はそそるんだよ」
…え?
えっ!?
ちょっと待って、違うのに!
そんな事言ってる場合じゃないのに!
ていうか、その言葉を言ったお相手はあたしじゃなくて美咲さんでしょ!?
「あたしじゃないですっ」
「うるせぇ、叫ぶな」
「ごめんなさい!」
やっぱりすぐに謝ってしまう。
さ、最初の頃に戻ったみたいだ。
「…まぁ、つー訳で…悪いな。
お前の事、ぐっちゃぐちゃに乱してやる」
「…!」