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want to be ...
第26章 Secret Story 大樹 × 杏奈
「嘘なんて付いてません!
あなたは記憶喪失になったんです、
それで自分の恋人と、全く他人のあたしとの
記憶がおかしくなってるんです!」
「杏奈が俺の恋人だろ?」
…もー!
「違います!あたしは蒼汰さんのもので、
あなたのものではありませんっ!」
これが失言だと、すぐには気付けなかった。
あたしは美咲さんを思い出して貰うのに必死で、大樹さんの目の色が嫉妬で燃え盛り、捕食者の色へと姿を変えていたなんて…
気付きもしなかった。
「…へぇ、蒼汰」
「…!はい、あたしは蒼汰さんのものです!」
…愚かなあたし。
この人達の過去を、あたしは知ってるのに。
「…っ、あ…」
あたしを美咲さんと、でも杏奈という名の恋人だと思い込んでる大樹さん…
自分の恋人が、一番仲がよく、気を許してるライバルのものだと言い出したら?
独占欲が人1倍強い大樹さんが黙ってる訳ないのに。
「ははっ…杏奈、いつあいつのものになったの?
俺の知らないところで、俺以外の男に…
蒼汰に抱かれてよがってたの?」
「っ…」
違う!
けど…言い出せる余裕なんてなかった。