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第28章 エピローグ

16歳のあたしへ。


今のあたしは、あなたがこの先出会うだろう彼のためにたくさんの涙を流しました。


悲しく辛い、冷たい涙を。


それでも、たくさん泣いても諦めずに努力した分は、ちゃんと返ってきます。


悲しかった分、嬉しい事、幸せな事、楽しい事は何倍にもなって返ってきます。


だから、諦めないで。


どんなに冷たくされても、どんな事を言われても、どんなに体に当たられてもめげないで。


彼の全てを受け入れてあげてください。


いつか彼もあなたの全てを受け入れてくれるから。


｢杏奈に出会えたおかげで、俺は変われたんだよ｣


なーんて言いながら。







今、あたしの隣には彼がいます。


優しく微笑んでいます。


名前を呼ぶとあたしを笑顔で見下ろします。


手も繋ぎます。


抱き合います。


仲良く並んでご飯も作ります。


相変わらず彼の料理のセンスは壊滅的だけど。


一緒にお風呂に入ります。


一緒のベッドに入り、裸で抱き合いお互いの名前を呼びます。


愛し合って、1つになって眠ります。


朝は彼の甘いキスで目覚めます。


最近彼はあたしより先に起きてます。


よくそのまま抱かれます。


子供に見られます。


当然、あたしは恥ずかしがって怒ります。


すると彼は


｢パパはママをいじめてたんじゃないよ。
ママに大好きって言ってたんだよ｣


と子供に微笑みます。


あたしは更に彼を大好きになります。


子供を2人で間に挟んで再び眠りにつきます。


こんな幸せすぎる日々を毎日送っています。


毎日幸せを噛みしめています。







全てあなた次第です。


幸せは自分の手で掴み取ってください。


未来のあたしからエールを送ります。


がんばれ、16歳の杏奈。


あなたが今のあたしと同じ歳になった時、隣に蒼汰がいますように。