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want to be ...
第29章 素直な気持ち 雫SIDE
あたしが高校3年生の時の事。
「俺らさ、別れよ」
「…え?」
突然何を言われたのかと思った。
え、何?別れる?
…え、今?
そう疑問になるくらい、それは突然で。
だって、同棲してて、同じ大学行く約束して、受かって2人で喜んで。
もしかしてこのまま結婚しちゃうかなーなんてところまで来てたのに、何で?
「とりあえずそういう事だから。
お金入れるし、ここ好きに使ってくれていいから。
ごめんな」
「…ご、ごめんなって。どういう事?
ちゃんと説明してくれないと…」
「…、ごめん。浮気、してさ…
相手の子妊娠させちゃって。生むらしいから
親権とる事になって…、だから、大学も行けない」
「…」
は…?
何…それ。
「パーティー出た時、強い酒飲まされて…起きたら、
隣に裸の女寝てて…避妊薬渡したんだけど、
俺ん家の会社の金目当てだったらしくて、
脅されて結婚…する事、に、なった。…ご、めん」
当時のあたしの彼氏…柾(まさき)は、所謂おぼっちゃまで。
中学から一緒だったんだけど、周りの皆が「金持ち」って色目で柾を見る中、あたしは普通に接してて。
…え、つか金持ちなんてどーでもよくない?
金持ち抜きにしても、柾は面白い人だったから。