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want to be ...
第29章 素直な気持ち 雫SIDE
「ほんとは今すぐにでも婚姻届出しに行きてぇ。
早く俺のものだって証拠がほしい…」
「あたしは瑞季のものだよ…」
「雫…っ」
だめだ、涙が止まらない。
これ、夢だったりしないよね?
ちゃんと現実だよね?
いつも飄々としてて、生徒達からクールでかっこいいなんて言われてる瑞季は、あたしにだけ弱い部分を見せてくれていた。
家での瑞季は、大学での瑞季と180度位違うんだ。
ベタベタと甘えてきて、無視してたら拗ねるし。
大学ではほとんど見せない笑顔を向けてくれるし。
あたしを抱いて寝ないと眠れないし。
おはようのキス無視したら怒るし。
やたら膝枕ねだるし。
エッチはすっごい意地悪だけどね。
歳も実はそんなに離れてないのに、あたしの方が達観してるし大人だよな、と思う時がある。
そんな瑞季の言葉は、いつも直球。
ずどーんって、胸に響く。
だから、すぐケンカになる。
些細な事なのに…
その代わり、仲直りはものすごく早い。
「ごめんね」
って直球でくるから。
人間って…いや、あたし達だけかもしれないけど、言葉を伝え合わなきゃうまくいかないんだな。
それに、どんな些細な事でもときどきケンカしなきゃだめなんだ。
お互いの意思をぶつけ合うために。