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叶わないならせめて、手に入らないならいっそ
第5章 たとえば、その夢が叶ったとして
「おまえ、熱出したって聞いたけど?」
若葉の額に手を当てる。
特別に熱いとは思わない。
「下がったみたいだな……それとも、俺に会いたくないから仮病つかった?」
皮肉っぽく笑う。
若葉が俺の手を振り払った。
図星のようだ。
「……残念だったな。おまえに逃げ場なんてねーよ」
親だってこっちの味方なんだから。
「仮病でも何でもいいけど、元気なら俺と遊ぼうぜ?」
若葉がさっと青くなった。