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叶わないならせめて、手に入らないならいっそ
第5章 たとえば、その夢が叶ったとして
「やだっ! やだぁああ!」

若葉が激しく暴れるせいで、ベッドがきしんでいる。

反抗的なくせに、快楽に弱くて堪え性がない。
まぁそこも含めて可愛いんだけど。

「だから、やだやだばっかりじゃ、わかんないんだけど」

一旦、口を離して問い掛けた。
涙をたたえた若葉の大きな目とぶつかる。

悔しそうで、辛そうで、どこか媚びるような、ぎりぎりの表情。

「……っ、……。……」

かすかに若葉の唇が動いた。

「ん?」

わざとらしく小首を傾げてみせる。
若葉の目から、ぼたぼたっと大きな涙がこぼれた。
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