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叶わないならせめて、手に入らないならいっそ
第7章 重く、纏わりついて、絡みつく
帰宅して、自分の部屋。
時計の秒針と、窓のガラスに叩きつけられる細かな雨の音。
若葉のいない空間は、いつもより広く感じる。

机の上には課題が広がったまま、いっこうに手は進まない。

俺は押し倒した時の若葉の顔を思い出していた。

恐怖に引きつって、痛いと泣いて。
時には泣きながらこっちを睨みつけてきた。

興奮は、する。

けれど同時に、重く冷たいものが胸の奥に溜まっていく。

なぁ、若葉。
押し倒さなければ、無理矢理組み敷かなければ、今日もふたりで傘を分け合って帰れたんだろうか?
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