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叶わないならせめて、手に入らないならいっそ
第1章 プロローグ
――しゅーちゃん、俺ね。


幼馴染みの若葉が、その愛らしい頬を染めながら言った。


――好きな人、いるんだ。


可愛い、可愛い若葉。

本当なら祝福してあげなければいけないのに、俺の胸は絶望に塗りつぶされていた。

だって、その相手が俺ではないことはわかりきっている。


なぜなら、俺たちは男同士だったから。


若葉の全てを手に入れたい。
でもそんなことは許されない。


だから、壊してしまうことにした。


強引に押し倒す。
暴れるのを押さえつけ、引きちぎるように服を剥ぐ。


――やめて。
――いやだ。

――どうしてなの、しゅーちゃん。


若葉の大きな瞳が、俺と同じ絶望に染まっていく。

暗い愉悦に満たされる。

そうだ、若葉。
俺だけを見ろ。

好きにならなくていい。
憎んでくれて構わない。

俺のことを見てくれるのなら、それだけでいいから。


叶わないならせめて。
手に入らないならいっそ。


俺と同じところまで堕ちてこい――。
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