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叶わないならせめて、手に入らないならいっそ
第12章 梅雨の終わり
梅雨は終わり、空には真っ白な入道雲が浮かんでいる。
学校の下駄箱に目当ての人物を見つけて、俺の頬が緩む。
間宮柊。
同じマンションに住んでる、俺の幼なじみ。
背が高くて、頭が良くて、かっこよくて、俺の自慢の恋人。
そう、恋人。
しゅーちゃんは壁にもたれるようにして、眩しそうに空を眺めていた。
「しゅーちゃん」
声をかける。
名前を呼ぶと、それだけで心が丸く、柔らかくなるような気がした。
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