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藤の舞
第12章 飢えと渇き
っは…
疲れからか長く眠ってしまった。ボクは慌てて起き上がる。
自身は綺麗に舐めとられ、布団を掛けられて寝ていた。
奥さんがいないのは一目瞭然で、バスルームの灯りをみて、確認しに行く。
湯気と石鹸の香りがするだけで奥さんは居なかった。
部屋に戻り、何かメッセージがないか確認した。
カバンのポケットから紙切れがのぞいている。
手に取りメッセージを読んだ。
『もう、病院の外では、声を掛けないで下さい。
守っていただけなければ、先生に言います。
もし、またsexしたいなら、病院で会いましょう。
私は、病院での刺激的なsexが欲しいのです。
愛だの好きだの感情は要りません。
あなたのsexも良かったですよ。』
何度も読み直した。
文面にない奥さんの気持ちなど、何か読みとれないかと…
でも、拒絶された。
病院でのことは、これから起こるわからないことも含め奥さんが望んでいる。
会いたいなら、あの狂った乱行に混ざるしかない。
端的にはっきりと書かれていた。
シャワーを浴びて洗い流す。奥さんとの二人だけの時間も記憶も、洗い流してしまいたかった。