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藤の舞
第15章 誘惑
新しい誓約書に契印を押した。

家に着いても体がふわふわし、快感を思い出す。
料理をしながら、シンクの角にピアスを擦り付け、
余韻を楽しんでいた。

明日起こることに期待して眠る。
充実していた。

週末も都合がつくなら病院に来てよいと言われており、
前もって予定がわかるなら、お客様をお呼びし、
わからないなら、先生がお相手してくださることになった。

今週末は、主人が泊まり掛けでゴルフに行くので、
私も泊まり掛けで病院にいることになった。


終わりのない宴、
飽くなき快楽の虜、
その末路には闇しかないとわかっていても、
覚えた美味を捨てることは出来なかった。


翌日以降もお客様の数は増えていき、
最低でも四人は来ることになっていた。

それぞれの好みで私を弄び、私には快楽を与えてくれる。

時には痛いことや酷いことをされたが、それを上回る快感があるのを体が知っていた。


鏡の向こうの客の世界は未だに謎のままだったけど、
毎日沢山の新しいお客様をお迎えし、その在庫が尽きることはないと安心した。

主人とは、週一回の勤めを怠らず、騎乗位で私が一人で済ませるのが定着していた。
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