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藤の舞
第18章 人工受精
「さっきのをやって見せてくださいよ。
あの女にはそれで十分だとわからせてください。」

カチカチ…ブブッ…ブブッ…カチカチ…ブブッ…ブブッ…

はぁあああん…いやぁ…こんなのぉ…いゃぁああああっ…

妻が嫌がりながらも達するのを、全員が笑いながら見ていた。


「では、いよいよ人工受精の媒介役に登場してもらいましょう。」


あいつがまた裏口に行き、一人の男を連れてくる。
男は白衣をきていたが、それは医者のものでなく、料理人の割烹着だった。

そして、大きな発泡スチロールの箱を持っていた。


皆、場違いな男の登場に怪訝な顔をする。

男は怯みもせずにあいつに、

「ご所望の国産天然物の特大サイズが手に入りました。」

意味不明な報告をした。

「刺しまでここで行って、焼きは奥の調理場でよろしいですね。」

長机に腰に提げた道具包みを置き、箱の上のまな板から柳葉包丁、何本もの鉄串を並べ、手拭いでそれを磨き始めた。

まさか妻が本当に調理されるのか?

また自身が萎え始めたが、女たちが素早く察して、妖艶に舌で舐め回した。


あいつが一人発泡スチロールの箱を覗き、満足気に頷く。

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