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忘れられない指
第3章 恋のすすめ

部屋の灯りをつけた次の瞬間には、ベッドの中へ倒れ込んだ。
大の字に腕も足も伸ばし、ほろ酔いの内臓を圧迫しながら
フーフーを口呼吸を繰り返す。

ちょっと飲みすぎたかな。

いちばん家が近い孝明がアパートの前まで送ってくれた。
ほぼ毎回そうだ。

飲みすぎ注意!と繰り返す孝明が腕を掴んでくれていたからなんとか歩いてこられた。

アパートの階段を上り終えるのを、孝明は見届けてくれる。
2階にたどり着き、手を振る私に孝明も軽く手をあげてから背中を向けた。
優しいオトコだ。

孝明だけじゃない。
史彦だって凌空だって、みんな優しい。
彼らの誰が恋人になったっていいくらいだと思う。でも・・

今の私は慎介さんに心魅かれている・・

彼らを好きではない、というのではなく
慎介さんのことが好き、なだけ・・・
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