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忘れられない指
第5章 思いもよらぬ・・
どれくらい、そのままでいたのだろう・・
気づくとちゃんと毛布にくるまれていた。
孝明の腕の中で、ミノムシみたいにひとつになっていた。
2人とも、眠っていたみたい。
窓の外はまだまだ暗い。
夜明けまでは時間がありそうだ。
時計を見ると、3時になろうとしていた。
私が動いたからか、孝明の腕がビクッと反応した。
長く息を吐きながら、体を伸ばした。
「・・寝ちゃったみたいだね・・今、何時?」
寝起きの孝明の声が、かわいらしかった。
「もうすぐ3時になるよ」
「そう・・」
短く返事をした後、孝明は天井を見つめた。
その横顔を黙って眺めていると
「咲ちゃん・・」
一度名前を読んでから大きく息を吐き、それからまた口を開いた。
「・・ごめんね・・」
孝明は謝った。
謝るっていう事は、悪いことをしたってことなのだろうか。
自分の欲望に任せて、私の気持ちを無視して抱いた、という事なのだろうか・・