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忘れられない指
第6章 先が見えない・・
日付の変わる前に4人で店を出た。
いつものように店の前で二手に別れる。
駅方向へ向かう凌空と史彦。
彼らに背を向ける私と孝明。
歩き出してから気づいた。
以前よりも2人の間隔には距離がある。
腕が触れることはまずない距離だ。
やっぱり意識してるってことなのかな・・だけど・・・
孝明は黙ったまま歩いていく。
意識、というよりは気まずいのだろうか・・
「このまえ・・いつの間に帰ったの?」
緊張して少し声が震えた。
「咲ちゃんが眠ったのを確認してからね・・
キーホルダーの鈴の音、穴から落とした時、それにも気づかなかったんだ」
やっと笑顔を見せてくれた。よかった・・
「ありがとね、咲ちゃん」
ありがとう・・この言葉はこれからの2人の進む方向のキーワードなのだろうか・・
「これからもずっと友達だ。いつまでも・・」