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カノジョ
第8章 あんなカノジョ《再々》
 
 人影なんて疎らだった筈の公園。

 それにも拘わらず、杏子が繁みから出ようとすれば、まるで見計らっているかのように現れる人影。

「も、もお……なんでよ………」

 タイミングを失い続けてどれ程の時間が経っているのか分からない。

 ただ、ハッキリとしているのは、屈んでいる両脚に痺れを覚えている事だった。

 繁みからヒョコッと顔を覗かせては、人影を見付けてサッと引っ込む事を繰り返す。

 杏子は人通りを気にする余り、下半身の現状を気にしていなかった。

 すっかり地表の液体は地中へと染み込み、最早、下半身を丸出しにしているだけで、露出をしていると思われても違和感が無い姿。

 そんな杏子の焦る様を嘲笑うかのように、相変わらずタイミング悪く人影が現れる。

「い、いい加減………」

 脚の疲れも溜まってきている。


…騎乗位で腰振ったり…動いたりする時は平気なのに……


 気を紛らわそうと、何故かイヤらしい方面へと思考を向ける辺り、真希と似ているところがある杏子だった。


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