この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
桜
第7章 自信
〜土方side〜
近藤さんの話を聞きながらも、土方は自分の部屋のことが気に掛かっていた。
「とし、何か気がかりなことでもあるのか」
「…いや、何でもねぇよ」
土方は近藤に気付かれぬよう視線を伏せ、そっと息を吐き出す。
ーーー…
山崎が来ていたことは途中から気づいていた。
すぐに立ち去るかと思ったが、ほんの少しだけ開いた襖から、じっと中の様子を伺っている気配を感じた。それに、僅かな息遣いも。
山崎がさくらに気があるのは、何となく気づいてはいたが、まだ女を知らない山崎にはどうする事も出来ないだろうと、気付かぬ振りをしていた。さくらの方も純情で、他の男に目移りするとは思えなかった。ただ、さくらは鈍感なところがあり、四季の客に言い寄られても気付かなかった。山崎がさくらに想いを寄せているなんて、ましてや想像すらしていないだろう。
鈍感さ故に、何か間違いが起こらないとも限らない。
山崎が無理矢理さくらに襲いかかるなんてことは無いだろうが…
少し見せしめとかねぇとな。
だが、俺も近藤さんも山崎を信頼して、頼りにしている。
信頼している新撰組隊士とは波風は立てないようにしたい。
そうすると.俺たちの仲を見せつけるのが手っ取り早い…か。
さくらの真っ白な肌を他の男の目に晒さねぇように、なるべく注意していたが、正直夢中になりすぎて、肌を隠しきれたとは言い切れない。
山崎のあの反応…たぶん少しは見えてたんだろうな。
不本意だが仕方ねぇ。
あれで山崎もさくらに手出しは出来ねぇはずだ。
山崎には酷な事をしたかもしれねぇが、…これでいい。
さくらは俺だけを知っていればいい。
土方は片方の口角を上げた。その表情からは、絶対的な自信が伺えた。
さくらは絶対誰にも渡さない。
近藤さんの話を聞きながらも、土方は自分の部屋のことが気に掛かっていた。
「とし、何か気がかりなことでもあるのか」
「…いや、何でもねぇよ」
土方は近藤に気付かれぬよう視線を伏せ、そっと息を吐き出す。
ーーー…
山崎が来ていたことは途中から気づいていた。
すぐに立ち去るかと思ったが、ほんの少しだけ開いた襖から、じっと中の様子を伺っている気配を感じた。それに、僅かな息遣いも。
山崎がさくらに気があるのは、何となく気づいてはいたが、まだ女を知らない山崎にはどうする事も出来ないだろうと、気付かぬ振りをしていた。さくらの方も純情で、他の男に目移りするとは思えなかった。ただ、さくらは鈍感なところがあり、四季の客に言い寄られても気付かなかった。山崎がさくらに想いを寄せているなんて、ましてや想像すらしていないだろう。
鈍感さ故に、何か間違いが起こらないとも限らない。
山崎が無理矢理さくらに襲いかかるなんてことは無いだろうが…
少し見せしめとかねぇとな。
だが、俺も近藤さんも山崎を信頼して、頼りにしている。
信頼している新撰組隊士とは波風は立てないようにしたい。
そうすると.俺たちの仲を見せつけるのが手っ取り早い…か。
さくらの真っ白な肌を他の男の目に晒さねぇように、なるべく注意していたが、正直夢中になりすぎて、肌を隠しきれたとは言い切れない。
山崎のあの反応…たぶん少しは見えてたんだろうな。
不本意だが仕方ねぇ。
あれで山崎もさくらに手出しは出来ねぇはずだ。
山崎には酷な事をしたかもしれねぇが、…これでいい。
さくらは俺だけを知っていればいい。
土方は片方の口角を上げた。その表情からは、絶対的な自信が伺えた。
さくらは絶対誰にも渡さない。