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Love adventure
第21章 決心

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決心したものの、ふとした瞬間に胸が痛むのは、今まで一緒に過ごしてきた智也への情からだろうか。
物思いに耽るほなみの肩を、智也が素早く抱き顎をつかみ、唇を重ねた。
その一瞬の出来事を目撃したあぐりは、顎が外れそうな程に大きな口を開けた。
ほなみは強く抱き締められながら通行人たちの好奇の視線を感じ、苦笑いする。
「気をつけて、行ってくるんだぞ?」
「大丈夫……だよ」
「東京でナンパされてもついて行くなよ?」
「えっ……」
智也がこんな事を言うのは、初めてだった。
あぐりが横から口を挟む。
「そうならない為に私が一緒に行くんだから大丈夫でしょ――?それに仕事で行くんだからさ!
あああ、それにしても忙しくなりそうね!期間限定とは言え、クレッシェンドのサポートするわけだし責任重大よ!
私もほなみのお手伝い頑張るからねっ!
……ナンパなんかされてる暇は残念ながらないわよっ!
要らん心配ばかりしてると抜け毛が増えるわよ――っ?あんた、二十代で植毛するつもり?」
「……馬鹿言え」
智也はあぐりに一言返すと、妻をそっと離し、荷物を手にエスカレーターに乗り込み上から手を振った。
ほなみも、笑顔で手を振り返す。
智也の姿が見えなくなった所で、あぐりは大きな溜め息を吐き、ほなみを軽く睨んだ。
「――で?一体全体、どういう事なのよっ!」
決心したものの、ふとした瞬間に胸が痛むのは、今まで一緒に過ごしてきた智也への情からだろうか。
物思いに耽るほなみの肩を、智也が素早く抱き顎をつかみ、唇を重ねた。
その一瞬の出来事を目撃したあぐりは、顎が外れそうな程に大きな口を開けた。
ほなみは強く抱き締められながら通行人たちの好奇の視線を感じ、苦笑いする。
「気をつけて、行ってくるんだぞ?」
「大丈夫……だよ」
「東京でナンパされてもついて行くなよ?」
「えっ……」
智也がこんな事を言うのは、初めてだった。
あぐりが横から口を挟む。
「そうならない為に私が一緒に行くんだから大丈夫でしょ――?それに仕事で行くんだからさ!
あああ、それにしても忙しくなりそうね!期間限定とは言え、クレッシェンドのサポートするわけだし責任重大よ!
私もほなみのお手伝い頑張るからねっ!
……ナンパなんかされてる暇は残念ながらないわよっ!
要らん心配ばかりしてると抜け毛が増えるわよ――っ?あんた、二十代で植毛するつもり?」
「……馬鹿言え」
智也はあぐりに一言返すと、妻をそっと離し、荷物を手にエスカレーターに乗り込み上から手を振った。
ほなみも、笑顔で手を振り返す。
智也の姿が見えなくなった所で、あぐりは大きな溜め息を吐き、ほなみを軽く睨んだ。
「――で?一体全体、どういう事なのよっ!」

