この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
Love adventure
第28章 愛しい奏で
 ちぎれるように切ない思いを囁いても、たぎる欲望を身体でぶつけても、ほなみはそれに応えてはこなかった。
 酔った様なまなざしで時折見つめて来るが、単に快感に溺れているのか、それとも、少しは好きと思ってくれているのか判断出来ない。

 これ程手応えが分からないのは初めてだった。やるせなくて、絶望的な程に戸惑った。
 ほなみは決して抵抗しない。
 「ダメ」「やめて」と、その唇から発せられるが、ふと背中に回される指に力が籠められる瞬間、西本の身体は熱くなり、彼女を求めずにはいられなかった。 
 別れ際の彼女の言葉が、まだ耳から離れない。




『ずっとクレッシェンドの、西君の応援をしてる』


 ――堪らなく胸が痛む。
 ほなみまで……そんな風に俺を見切るのか?
 俺の前を通りすぎていってしまうのか?



 世を捨てたかのように放心する彼の様子に困り果てたのか、綾波がマンションに医者を往診させたことがあった。
 医者は、西本と暫く話をしていたが、眼鏡を指でずらし、もっともらしく言った。

「歌えない、というのは、精神的なストレスから来ている可能性が高いですね。」

 綾波と三広は、真剣な表情で医者の話を聞いていたが、西本は思わず笑い出した。

「はははっ!……決まり文句だよな。『ストレス』 ?
 小一時間話をして出した結論がそれか?……ずいぶんなヤブ医者を連れてきたもんだ!」

 三広は血相を変え、医者にフォローを必死にしていたが、綾波は口元を歪め笑いを噛み殺していた。
 やり場のない怒りが込み上げ、医者と三広と綾波を部屋から追い出した。

 (ストレス?ふざけるな!俺はただ、ほなみが欲しいだけなんだ。彼女の愛が欲しくて、叶えられずに苦しんでいるだけだ)




/814ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ