この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Love adventure
第28章 愛しい奏で
喉の奥から声が出ているのに自分でも気付かないまま、西本は囁くように歌った。
『何の為に 唄うんだい?
どうして 僕は
デタラメな音とか
ガラクタみたいな小さな夢とか
そんなものばかりかき集め
君が その胸に呑み込んだ言葉に気付かないんだろう?
"君の為に 唄う"
そう言う事は
たやすいけれど
今、そばで愛を囁けない僕は
そんな風に 答えるしかないんだよ
君の為に……』
指を止め、寝息を立てるほなみを見つめると、かつて感じた事の無い感情が込み上げる。
ほなみの笑顔が側にあれば、どんな事でも出来るような気がしてきた。
――俺はここで終わったりしない。なにがなんでもやってみせる――
西本は、その拳を握り締めた。
『何の為に 唄うんだい?
どうして 僕は
デタラメな音とか
ガラクタみたいな小さな夢とか
そんなものばかりかき集め
君が その胸に呑み込んだ言葉に気付かないんだろう?
"君の為に 唄う"
そう言う事は
たやすいけれど
今、そばで愛を囁けない僕は
そんな風に 答えるしかないんだよ
君の為に……』
指を止め、寝息を立てるほなみを見つめると、かつて感じた事の無い感情が込み上げる。
ほなみの笑顔が側にあれば、どんな事でも出来るような気がしてきた。
――俺はここで終わったりしない。なにがなんでもやってみせる――
西本は、その拳を握り締めた。