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Love adventure
第74章 攻防

「……少し、ふたりだけで話をさせてくれ」
「ちょっと待て!ほなみちゃんに何かする気か――」
亮介が色を失い立ち上がると、西本が手で制した。
「……ほんの少しだよな?」
西本が真っ直ぐに見据えると、智也は頷いた。
「ほなみ、大丈夫か」
「う、うん……大丈夫」
西本に頷き、ほなみは智也を見あげる。
丁度その時カナがお盆に新しい紅茶を淹れて戻ってきた。
「十分で戻る……悪いがそれまで待っていてくれ」
カナに一言残し、智也はほなみの手を引いて奥の応接室へ入っていく。
「祐樹、いいのか」
綾波が立ち上がる。
西本はふたりを見送りながら呟いた。
「あいつのさっきの目を見たら……嫌とは言えないよ……」
――二人はまだ法律上では夫婦だ。
書類上での繋がりとはいえ、今まで夫婦として過ごしてきたその時間や思い出の質量には、どうあがいても勝てない。
ほなみを愛しているし、奪い取るつもりで居るが、最終的に決めるのはやはりほなみなのだ。
今までは、信じて疑わなかったほなみとの未来ーー
(――ほなみは、本当に、俺を選ぶのだろうか?)
初めて、西本の中に、そんな不安の様な物が生まれた。
「ちょっと待て!ほなみちゃんに何かする気か――」
亮介が色を失い立ち上がると、西本が手で制した。
「……ほんの少しだよな?」
西本が真っ直ぐに見据えると、智也は頷いた。
「ほなみ、大丈夫か」
「う、うん……大丈夫」
西本に頷き、ほなみは智也を見あげる。
丁度その時カナがお盆に新しい紅茶を淹れて戻ってきた。
「十分で戻る……悪いがそれまで待っていてくれ」
カナに一言残し、智也はほなみの手を引いて奥の応接室へ入っていく。
「祐樹、いいのか」
綾波が立ち上がる。
西本はふたりを見送りながら呟いた。
「あいつのさっきの目を見たら……嫌とは言えないよ……」
――二人はまだ法律上では夫婦だ。
書類上での繋がりとはいえ、今まで夫婦として過ごしてきたその時間や思い出の質量には、どうあがいても勝てない。
ほなみを愛しているし、奪い取るつもりで居るが、最終的に決めるのはやはりほなみなのだ。
今までは、信じて疑わなかったほなみとの未来ーー
(――ほなみは、本当に、俺を選ぶのだろうか?)
初めて、西本の中に、そんな不安の様な物が生まれた。

